2012年1月22日

ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』


主人公のユーゼフは30歳で独り者。
何やら小説を書いているらしい。
そんなユーゼフの元に教師のピンコがやって来て、
ユーゼフに学校に入ることを勧め、
半ば強制的にユーゼフを入学させる。

学校では、18になるかならぬかといった年齢の生徒たちが、「青少年」と「若いもん」との2つのグループに分かれて互いに争っていた。
「若いもん」を代表するミェントゥスと「青少年」を代表するスィフォンは顔くらべをすることになり、ユーゼフが審判をすることになる。
だがそんなこととは無関係に教師がやって来ては授業を進め、予習をしていない生徒たちは指された途端に青くなり何も答えられない。
授業後に顔くらべが行われ、スィフォンが勝利するものの、ミェントゥスはスィフォンを押さえつけ、彼の耳に彼の嫌う汚らわしい言葉を囁き続け、スィフォンは悶え苦しむ。

ピンコに促されるまま、ユーゼフはとある一家に下宿することになる。技師、技師夫人、女学生の三人家族。
ユーゼフは女学生に恋ともつかぬ複雑な感情を抱き、その現代的な女学生を打ち負かそうと罠を張り巡らす。

下宿を後にしたユーゼフは、作男に憧れるミェントゥスと共に、真の作男を探しに郊外へ行く。途中、ユーゼフのおばに会い、彼らは彼女の屋敷に招待されることになる。
屋敷で働く若い下男の中に求めていた作男を見出したミェントゥスは、さっそく彼ときょうだいづきあいをしようと試みるが、地主貴族たるおば、おじ、にはそれが奇怪なことにしか見えない。ミェントゥスの行動は、百姓と地主との間にある秩序の均衡に罅を入れることになり、やがて混乱が訪れる。

物語全体は三つに区切られ、その切れ目には作者の言葉と挿話が書かれています。

『子供で裏打ちされたフィリードル』とその前書き。
『子供で裏打ちされたフィリベルト』とその前書き。

この前書きでは形式について書かれ、
物語では成熟について書かれています。

何が書かれていたのか考えても何もまとまらず、何を読んだのかも未だによくわからない奇妙奇天烈な小説です。




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