2012年1月14日

『バーチウッド』を読む 第一部(9)~(21)

(9)
語り手が学校に送られなかった理由。
バーチウッドの経済状態。農園経営に対する関心の低さ。雨漏りと空き瓶。雨粒が奏でる音楽。
百姓たちの無遠慮。密猟者。祖父の怪我。
流浪の民の出現。
コッターの家の辺りで焚き火をするガブリエルとマイケル。野良仕事やノクターとの狩。
マイケルの学校時代の話。木立のなかに見えた姿と声。

(10)
祖父の精神状態。医者のマッケイブ先生。カルトン神父。祖父との別れ。
夜の気配。葉巻の煙。マーサ叔母の白い部屋着。

樺の木に食い込んでいる義歯。
樺=birchwood

(11)
遺産相続。土地をハーフマイル館の老ガダーンに売り払う。近隣の叛徒たちに資金を都合しているという噂。革命から生まれる新しい国に自分の取り分を確保するためだろう。
葡萄酒の瓶が飛び散る。祖母が金切り声を上げる。
父が笑みを浮かべる。喚き出そうとするマーサ叔母に指を振る。母は義理の妹を睨み付ける。

(12)
その年の黒すぐりは近年最高の豊作。
ガブリエルとマイケルは小作人たちの指揮を委ねられる。ノクターの荷馬車に乗って栽培地へ行く。
祖母と一緒のロージー。黒く短い髪。そばかすのある日に焼けた少女。労賃。コッターの廃墟。

(13)
ロージー。代数の話。
崩壊しつつあるバーチウッド。学習室の天井、便所の床板が抜け落ちる。
ガブリエルとロージーのアクセントの違い。木の葉が色を変え始める。
不穏な情勢。国中が武器を手に立ち上がっていた。ロージーの狙い。湖の岸辺の東屋。赤毛の幽霊。マイケル。散弾銃を発砲する父。

(14)
客間の暖炉に火が入る。洞に谺が響き渡るだけのように思える屋敷。
農民反乱の気配。
祖母は長い時間を湖畔の東屋で過ごす。バーチウッドはもう自分を受け入れてはくれない。黒い傘の花。
マーサ叔母。ラテン語入門書。「愛スル」。無口になったマイケルは語り手の知らない秘密を知っている。
爆風。雨。

(15)
祖母の葬儀。マッケイブ先生の状況説明。語り手は屋敷自体が彼女を始末したのではないかと疑っている。普通の大きさの棺桶。

(16)
肺炎。ロージーの笑い声は彼女の祖母の高笑いを谺させる。十四歳の小娘。
語り手はどこかに双子の妹がいるという事実に気付く。

(17)
厳しい冬。雨が寝室まで漏れてくる。無力な父。ノクターが姿を消す。彼は「運動」に関わっているらしい。
舅のローレス老人が今やバーチウッドの地所の相当部分を所有しているという事実。
母の節約体制。着古しを引っ張り出してくる。過去からの薄気味悪い谺。
クリスマスに雪が降る。
マーサ叔母の部屋から笑い声。扉から父が慎重に顔を覗かせる。葉巻の煙。
屋根裏部屋の母は祖母の夜会服を着ている。

(18)
三月。母は新しい世界をさらに奥へと旅を続けている。
大天使ガブリエルの祝日、父は語り手を図書室へ呼ぶ。語り手は学校に送られることになる。
バーチウッドは死んだ。

(19)
マーサ叔母。遺言書の話。マイケルの姿が見えなくなる。「十五年もあんなところに押し込めて」。
マイケルは「妹は奴らのところだ」と語り手に伝える。

(20)
未明に干草小屋が燃えている。マイケルを探してマーサ叔母が飛び込む。

(21)
語り手ガブリエル・ゴドキンは夜明けとともに家を抜け出す。