2014年7月5日

イェイツと能

イェイツが日本の能の影響を受けて『鷹の井戸』を書いたというのは、イェイツの本の解説などによく出てくる話です。
日本ではその『鷹の井戸』を元に新作能『鷹姫』が書かれたそうです。
2014年6月、両国でその『鷹姫』上演の映像の一部を観ました。

イベントの最初の挨拶で駐日アイルランド大使が壇上に上がってきたのにはびっくりしました。
大使は日本の能が好きでよく鑑賞に行くのだそうです。


2015年6月13日はイェイツ生誕150周年に当たります。

『アイルランド 大地からのメッセージ』 守安功

守安功さんによる愛蘭土音楽紀行その2です。

その1よりも伝統音楽の演奏家に焦点を当てた構成となっていて、演奏家の名前が章のタイトルになっています。

こちらの本も中身が濃く、同時にとても大事なことが書かれていると思うので、折りに触れて読み返していきたいと思います。


『アイルランド 人・酒・音』 守安功

アイルランド伝統音楽演奏家の守安功さんによるアイルランド伝統音楽に関する本です。
伝統音楽そのものについてや、そこで使用される楽器についても記述の他、アイルランドのクレアで実際に出会った演奏家たちに関するエピソードが書かれています。

情報量の多い本なので、読み返す度に新しい発見があります。



THE SEA

ジョン・バンヴィルの小説 THE SEA(邦題『海に帰る日』)の映画が製作されていたようです。
予告編を見つけました。




『ヌーラ・ニゴーノル詩集』

アイルランド語で詩を創作する詩人、ヌーラ・ニゴーノルの詩集です。
ヌーラ・ニー・ゴーノルとも表記されます。
アイルランド語では、Nuala Ní Dhomhnaill と表記されます。

人魚を主題にした37の詩が収められています。
海や水のイメージが全編に溢れているほか、アイルランドの土の匂いやそこで暮らす人々の息遣いを感じる詩集になっていると思います。


『フールズ・オブ・フォーチュン』 ウィリアム・トレヴァー

ウィリアム・トレヴァーの長編です。
1920年代のアイルランドで、ブラックアンドタンズの報復により家屋敷を焼かれ母親以外の家族を失った主人公は、その後、あることがきっかけとなって事件の犯人を殺害するために旅立ち、目的を果たした後は姿をくらまします。
出掛ける前に知り合った従妹のお腹の中には主人公の子供が宿っており、女性はアイルランドで子供を産み、夫の帰りを待ち続けます。
子供が大きくなった頃、主人公はアイルランドに戻り、妻と暮らすのですが、そこに至るまでにはすでに長い年月が過ぎていました。

主人公の屋敷にはジョセフィンと言う名のメイドが出てきますが、後年このメイドが危篤となり、その報を受けて老年の主人公が会いに行く下りは、『アイルランド・ストーリーズ』に収められている短編『聖人たち』にも描かれています。





『父の祈りを』

原題はIn the Name of The Father
1974年、無実の罪で逮捕されたジェリー・コンロンが無罪を勝ち取るまでの物語。
本人の後に父親も逮捕され、同じ監獄に収監される。
最初は父親の説得に対して冷めた態度を取り自暴自棄になっていた主人公が、やがて弁護士と強力して冤罪を主張するようになる流れが丁寧に描かれていますが、理不尽としか言いようのない当時の警察の対応は、昔の事件でありながら今の世の中にも通じるものがあるように思われます。