2014年7月5日

『フールズ・オブ・フォーチュン』 ウィリアム・トレヴァー

ウィリアム・トレヴァーの長編です。
1920年代のアイルランドで、ブラックアンドタンズの報復により家屋敷を焼かれ母親以外の家族を失った主人公は、その後、あることがきっかけとなって事件の犯人を殺害するために旅立ち、目的を果たした後は姿をくらまします。
出掛ける前に知り合った従妹のお腹の中には主人公の子供が宿っており、女性はアイルランドで子供を産み、夫の帰りを待ち続けます。
子供が大きくなった頃、主人公はアイルランドに戻り、妻と暮らすのですが、そこに至るまでにはすでに長い年月が過ぎていました。

主人公の屋敷にはジョセフィンと言う名のメイドが出てきますが、後年このメイドが危篤となり、その報を受けて老年の主人公が会いに行く下りは、『アイルランド・ストーリーズ』に収められている短編『聖人たち』にも描かれています。





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