2012年1月15日

『バーチウッド』を読む 第二部(1)~(13)

第二部 大気と天使たち

(1)
早朝に町に着く。古い城壁の名残の階段。
ペンブローク伯リチャード・フィッツギルバート・デ・クレア。ストロングボウ。
1169年ノルマン人のアイルランド侵攻。

港の聖母マリアの祭日。
けばけばしい夫婦者とその仲間。ポスター。
プロスペローのマジック・サーカス。
町の外の野原。大きな赤いテント小屋。幌馬車の群。
プロスペローの姿は誰にも見えない。

サイラス:老人
エンジェル
マリオ
ジャスティンとジュリエット:二人組の金髪の子供
ソフィー:赤ん坊
マグナス
シビル
エイダとアイダ:双子

(2)
一種の移動劇場。
「頭上のキャンバス地の屋根はじりじりと太陽に灼かれて」 ニキータ・ミハルコフ?
灰色の猿。アルバート。虫食いだらけの虎の剥製。
偵察役のレインバード。侏儒。
語り手は双子の妹を探している。写真。

(3)
その夜のサーカス。
マグナスはアコーディオンを弾く。
(アイルランドではダイアトニックのボタンアコーディオンが主流なので、ここに出てくるアコーディオンもそれと同じと思われる)
見えないところでバウロンが連打される。
ジャグラーのマリオ。マリオはティン・ホイッスルを奏でる。
蒼白な双子のエイダとアイダ。燃える赤毛のシビル。道化のマグナス。
サイラスとアルバート。ヨハン・リフェルプ。

(4)
ペテンと観客。夢の共犯。
プロスペローについて尋ねると彼らは口をつぐむ。
シビルはサイラスの連れ合い。ジャスティンとジュリエット。
マグナスはハーモニカを取り出してジグを吹きはじめる。
爆発する棺桶の話。

(5)
マリオ。金髪のエイダ。その子供ソフィー。
我らが優しきアイダ。
背の高い女がやって来る。長いドレス。太いステッキ。それは男だった。
制服の二人組。トラウンサー巡査部長とジェム。

(6)
プロスペローの一座と旅をしたのは一年間。
町を離れた日の午後。粗末なパブ。バグパイプとバウロン。ポーター。
アイダはバウロンを借りて叩く。カリグラ。「時」。

(7)
春の終わり。南の海辺にある小さな村。
近くの農家。マグ。

(8)
ウェクスフォードでの小屋の崩壊。官憲の不興。
国中が災厄に夢中になり、誰も私たちを気にかけなくなる前のこと。
夏の初めの輝かしい日。
エンジェルは滅多に口を開かない。
令状送達吏。
「親愛なるマルヴォーリオ」 十二夜?
兵隊。じゃが芋が不作。

(9)
今や旅の半ば。
もし双子の妹がいないのなら、過去の暗示や矛盾、家を出る前の晩伝えられた率直なメッセージをどう説明するのか。
赤毛の少年とプロスペローがどこかでつながっているという直感。
ソフィーがいなくなる。その晩、ソフィーを探してマリオもいなくなる。
家畜の疫病。じゃが芋の不作。飢饉。烏麦や畜牛は対岸への輸出用。
七月のある朝、マリオが追い付く。

(10)
雨の日。シビルとの会話。サイラスの計画。

(11)
夏が終わる。秋。
低地での恐ろしい噂。
サイラスの法螺話。底板の開く棺桶。
語り手とアイダ。兵隊。雨が降り出す。

(12)
過去からの谺。旅の終点。
頭を黒いショールで覆った、ドレスの女。粗末なツイードのズボン。(5)の谺。
より遠い過去の、よりかすかな谺。
歌声。住民。先導する赤毛の司祭。行列の脇を歩むストロングボウ。棺。広場を進む。
棺の後ろを歩く気の触れた老女。見憶えがある。
道をふさいでいる馬車。二人の警官。トラウンサー巡査部長。
棺桶が爆発する。
老女は、ずっと昔、黒すぐみの茂みで聞いた時と同じ耳障りな声でいつまでも笑っていた。

(13)
町を出て一マイルばかりのところ。女装の男がサイラスの馬車から飛び降りる。
警官と兵隊の追跡。
一軒のパブに辿り着く。(6)から一年後。
無人。飢饉。疫病。死の舞踏。
馬車の一台が燃えている。兵隊。マグナス。
ガブリエルは馬に乗って野原へと駆け去る。





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