2012年1月22日

ドニ・ディドロ『ラモーの甥』


哲学者の<私>とラモーの甥。この二人の対話から成る18世紀の小説。
会話は至って明るく、対話の中身は非常に濃い。
芸術論や哲学論や当時の社会の揶揄や金の話など、話題の幅がとても広く、一読しただけでは内容を把握しきれない。にもかかわらず頁数は少ない。

作曲家ラモーの甥にあたる「ラモーの甥」は、彼自身も音楽家のような仕事をしている。
生活力は乏しく、貴族の子弟の家庭教師をやったり芸術家を庇護する貴族の食客をやったりしながら糊口をしのいでいる。
ある金持ちの家で道化を演じていたが、ふとしたことで自分に常識があることをひけらかしてしまい、その家を追放される。
カフェで<私>と出会い、オペラが開演されるまでの間、話し込む。

小説としても哲学書としても読める本。いずれ再読しようと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿